昨今は技術の発展に伴って、ただの調理ができるだけではなく、「より短時間で」や「よりおいしく」などの付加価値を伴った料理が可能な調理器具が登場しています。
圧力鍋や低温調理器、無水調理器具など様々な商品が世の中には存在していますが、どれも買おうとすると絶妙に高かったり、ちょっと手を出しづらい価格設定をされているので、良いものであってもためらっている方も多いのではないしょうか。
今回は様々な調理方法ができ、Made in Japan製品である、バーミキュラのオーブンポット2を購入したので、そのサイズ感や使い方、機能や特徴などを紹介していきます。
オーブンポット2を購入しようかなぁと迷っている人の判断材料の一つになれば幸いです。
Contents
バーミキュラ(Vermicular)とは
愛知県に本拠地を構える愛知ドビー社から発売されている鋳物ホーロー鍋のことをバーミキュラ(Vermicular)と言います。
鋳物ホーロー鍋は、鋳物で作った鉄製の鍋に、ガラス質のホーローを吹き付けコーティングしてある鍋のことをいい、海外のストウブやル・クルーゼなどが有名です。
バーミキュラの最大の特徴は、水分を瞬時に蒸発させる瞬間蒸発ホーローを採用していることで、食べ物に含まれる余分な水分のみを蒸発させ、調理を手早く完結させられるというところです。
これは今回紹介するオーブンポット2だけでなく、フライパンなど、どの製品にも共通して言える性質であり、バーミキュラの技術の結晶のひとつといえます。
オーブンポット2とは
オーブンポット2はバーミキュラのラインナップの中では最も最近登場した製品であり、オーブンポットからの進化系にあたります。
サイズ展開は、18cm、22cm、26cmの3種類で、コーティングもプレミアムマットコーティング、ベーシックコーティング、マットコーティングの3種類が存在し、カラーバリエーションもいくつかあるため、選択肢としてはかなり多いです。
※コーティングは、製品の外面(鋳物の表面)がマットなのか、ツヤツヤでコーティングしてあるかの違いです。
また、蓋の形状も、通常の取手タイプと、立たせることができるスタンディングタイプの2種類が存在します。
お値段は20,900円からとなっています。
特徴① 無水ベイク
一般的にホーロー鍋は気密性が高く、もともと無水調理などのじっくりと時間をかけて調理するものは得意としています。オーブンポット2は、かなり精度良く作られており、蓋と本体の隙間を0.01mmの単位の世界で管理をすることで、高い気密性を実現しています。さすがMade in Japan。そのため、一般的なホーロー鍋と同様に、むしろそれ以上に効率的に無水調理が可能です。また、そこにバーミキュラの特徴である「瞬間蒸発」が掛け合わされており、瞬間的に食材の水分を蒸発させ、その水分で無水調理を行う「無水ベイク」と言われる調理方法が可能となりました。
この調理方法は、単純に焼くのとも違うし、蒸すのとも違う、独特の味わいを作り出してくれます。
特徴② 軽量化
旧型のオーブンポットもその気密性の高さから無水調理や料理をする上では優秀でした。しかし、他のホーロー鍋にも共通して言えることですが、鋳物製であるため非常に重たいです。蓋だけで何キロもあってめちゃくちゃ重たい。一般的に取り回しとかを考えれば基本的に調理器具は軽ければ軽いほど良いです。
しかし、オーブンポット2は旧型で問題視されていた重量に関して徹底的にメスが入れられており、約30%の軽量化がなされています。
(軽いといってもステンレスの鍋と比べると重たいですが・・・)
軽量化するにも様々な試行錯誤、企業努力がなされています。
単純に鋳物全体を薄くしてしまうと、耐久性や性能が落ちるため、底面など鍋としての性能が求められる部分は鋳物を肉厚に、そして側面などあまり寄与しない部分は薄めに作るという作り方をすることにより、軽量化を実現しました。
特徴③ 時短
軽量化して厚みが減ったことで、鍋全体の熱伝導率も向上しました。これにより、料理するものにもよりますが、従来のオープンポットよりも約20%近く調理時間を削減することが可能になりました。
無水調理などは長時間弱い火で煮続けるなど、調理に時間がかかるのがデメリットでしたが、このオーブンポット2を使えばより早い時間で、より高いクオリティの無水調理を行うことができます。
オーブンポット2の気になる点
これまでオーブンポット2の良い点を基本的に紹介してきましたが、やはり少し気になる点も存在しますので、忖度なしに私が気になった点を紹介します。
気になる点① 準備
バーミキュラの製品全般に言えますが、適切な使い方をするために適切な準備をしようとすると、それなりに時間がかかります。
具体的には、鍋全体の余熱に時間が必要です。
バーミキュラの製品は余熱をきちんと行わないと、焦げ付きやすい特徴があり、火にかけてからおよそ2分程度はきちんと余熱をして全体を温めてあげるという作業が必要です。一般的なステンレスの鍋とかであれば、火にかけてすぐ油をひいたら炒め物ができるという手軽さがありますが、オーブンポット2はそういった手軽さはありません。サクッと料理したい人にはちょっと扱いが難しいです。
気になる点② 手入れ
オーブンポット2は蓋と本体部分がかなり高精度に作られている一方で、これらが合わさる部分に関してはホーロー加工がされていません。
ホーロー加工がされている部分は水に濡れていてもち多少のことでは錆たりしませんが、何も加工がされていないところは、いわば鉄がむき出しの状態ですので、水で濡れたまま長時間放置してしまうと錆が発生します。そのため、公式な使い方としても、洗った後は水分を拭き取るようにアナウンスされています。
その他にも意外とデリケートな面があるため、きちんとメンテナンスしてあげないと、長い間使いことが難しくなってしまうかもしれません。バーミキュラはサポート体制もしっかりしているので、ホーローの吹きなおしとかは対応してくれますが、錆については言及がなさそうなので、極力錆ないように使っていきたいですね。
バーミキュラビレッジ
今回私がオーブンポット2を購入したのは、愛知県名古屋市にあるバーミキュラビレッジです。いわば、バーミキュラの直営店という感じのお店でしょうか。
中川運河という川沿いにあり、調理器具の販売店舗と、レストラン・パン屋の2棟が100mほど離れたところに建設されています。
レストラン・パン屋では、バーミキュラを使った料理を楽しむことができ、非常にオシャレな空間となっていますが、私が行ったのは午後3時くらいで、パンなどは売り切れということもあり、横目で見るだけで終わりました。
販売店舗も内装含めかなりオシャレに仕立ててありました。ここでは、料理教室を開催していたり、調理の実演を目の前で行ってくれるなど、「バーミキュラとは」ということに関して理解を深めることができますし、かなり丁寧に色々と教えてくれます。また、店舗で購入すると保障も手厚くなるため、東海3県あたりに住んでいる方は一度行ってみても良いかもしれません。
オーブンポット2 26cmを買いました
私が今回購入したのは、オーブンポット2 26cm 蓋はスタンディングタイプ マットブラックの仕様です。
お値段は33,550円です。値引きとかは一切ありません。
外観はいたってシンプルな鍋という感じです。今回のオーブンポット2はパステルカラーのものがいくつかあり、オシャレなのかなぁと感じる一方で、長い間使っていったときにどんどん汚れていくのでは・・・と考えるとなかなか買う勇気がわかず、無難にマットな質感のブラックにしました。私はバーミキュラのフライパンも持っているので、そちらとの兼ね合いもありますが、これでよかったと思っています。
蓋の裏側には突起がついていたり、鍋の底にも形状がつけられているなど、効率よく熱を伝えたり水蒸気を循環させるための機能的な工夫がされています。こういったものはストウブの鍋など、だいたいのホーロー鍋についているので、どこもやりがちな工夫なのでしょう。
この鍋が一つあれば、炒め物や煮物、そして揚げ物まですべての調理を完結させることができるのは非常に魅力的ですし、26cmのタイプでいうと深さが12cm程度あり、揚げ物なんかはこういった深いものでやると、油の飛びはねも軽減できるため非常にありがたいです。
おわりに
今回はバーミキュラ オーブンポット2の特徴や機能などを紹介しました。今後はこれを使った料理についても稚拙ながら紹介していきたいと思います。
3万ぐらいの調理器具ですので、なかなか買うのに一歩踏み出すのが大変ですが、アフターケアを含めかなり長期間愛用できる商品になると予想できます。
ホーロー鍋はやはり、ストウブやル・クルーゼなど有名どころも気になるところで、筆者もそれらと比較検討を行いましたが、重量や価格の面、そして機能性を鑑みても、バーミキュラのオーブンポット2はかなり優秀であると言えます。
なかなか販売されている店舗は限られてはいますが、興味のある方は是非一度手に取って、その軽さを経験してみたり、検討されてはいかがでしょうか。